アフターコロナ、ウィズコロナでビジネスオフィスの小型化は必須か?
仮説:アフターコロナ、ウィズコロナでビジネスオフィスの小型化は必須か?
新型コロナウイルスの感染拡大防止のためテレワークの導入が進んでいますが、企業の間では、東京都心部にあるオフィスの賃貸契約を解約したり面積を縮小したりする動きが出ています。
そこで今回は、アフターコロナ、ウィズコロナでビジネスオフィスはどうなるのか、小型化は必須なのか?という事について私なりに考えてみたいと思います。
現在、1人当たりのオフィス使用面積は、8.55㎡(2.58坪)程度と言われています。
畳で言うと5.27帖となりますので、結構広いな、というのが実感ですが、企業の規模やフリーアドレスなどの導入により実際にはもう少し狭いのではないかというのが個人的な感想です。
そのため、これまでにジョイライフスタイルでご契約をいただいていた30坪程度のオフィスでだいたい10名~15名程度の方で利用されていますので、概ね該当してくると思います。
さて、ここからなのですが、今回の新型コロナウイルスの感染拡大防止のためのテレワークの導入により、アフターコロナ、ウィズコロナでビジネスオフィスはどうなるのかといった問題ですが、私は現在の半分程度の広さまで縮小して行くのではないかと考えています。
大手企業については弊社の取り扱い範囲外なので他の不動産統計等に譲りたいと思いますが、弊社で取引の多い社員数30名未満の中小企業で比較的新しい企業においてはほぼ間違いないと思っています。
これは、1人当たりの使用面積は変えなくても、オフィスに滞在する人数から半分程度との想定になりました。
理由は、二つあり、まずはこのコロナ禍によって今後の景気の先行き不透明感に拍車がかかってしまった事。そして、前述のテレワーク導入によるワークスタイルの変化によるものです。
景気の先行き不透明感とワークスタイルの変化
顕著だったのがIT系のベンチャー企業の方々なのですが、弊社にも最も早い段階でご連絡されてこられ、解約、移動の判断をされていました。
IT系の業種では人件費をのぞく固定費用の中でオフィス賃料と入居契約時に預託した敷金・保証金の割合が高く、とくにスタートアップしたばかりの企業には大きな負担となっていることは貸借対照表上を見ても明らかです。
IT企業は他業種に比べて固定費自体は売り上げが上がったとしてもさほど変わらないのですが、売り上げが落ちてしまった場合には命取りになってしまいます。
コロナ不況による今後の景気の動向を鑑みますと固定費削減は必然的なものになると思われます。
また、テレワーク導入については是非の議論も出てきており、例えば自宅で仕事をする上での環境面での不都合や対面でのコミュニケーションがとれないことによってパフォーマンスが落ちてしまう事のデメリットなどが良く言われています。
ただ、コミュニケーションについては実際にはZOOMなどオンラインでの会議システムでのやり取りからは個人的にはメリットしか感じられませんでした。
(あくまでも個人的な感想ではありますが)
さらには、コミュニケーション手段は多様になってきており、各種SNSの活用などによっても対面でのコミュニケーション不足は十分に補う事ができるのではないかと感じました。
そして、テレワークの最も大きなメリットは何といっても通勤に時間をとられないことだと思います。
これまでに言われてきた長い通勤時間の無駄さと苦痛、そして生産性の無さという点は今回を機にあらためて実感できた方も多かったのではないでしょうか。
もちろん、直接人と会う事のメリットが皆無という事はありませんが、一様に同じ場所に集まってほぼ同じ時間帯を共に過ごすというスタイルはこれを機に減少していくと思われます。
テレワークと通勤時間も含めたオフィスワークとのメリットとデメリットを考えたときにすべてのオフィスワーカーが必ずしもオフィスに常駐する必要性は無くなったと断言しても良いと思いました。
5/22のニュースによりますと、日本IBMでは、緊急事態解除後の勤務体制などの対応方針を発表しましたが、解除後5ヵ月目であっても、平常時に毎日出勤していた社員であっても概ね週2~3回出社程度になるとの事。
この基準がアフターコロナ、ウィズコロナで常識になるのかは今後の他大手企業の動向次第ではありますが、成果さえ出すことができるのであれば、オフィス通勤は必須ではないという事は他の企業にとっても同様なことだと思います。
今後の検証としては、どのくらいの割合で企業がオフィス縮小をしたのか、また、どの程度の縮小幅だったのか、解約通知から実際に移転が行われる3~6ヵ月後には統計が出てくると思います。
そちらを確かめてみた上で今後のワークスタイルの変化に弊社としても対応していきたいと思っています。