シャレー渋谷 スタートアップのオフィス選び
ベンチャー企業、特にIT系のスタートアップがオフィスを選ぶ際、人気が集中する物件というものがあります。
その理由として場所や賃料など基本的な条件はもちろんですが、その他、スタートアップ企業を惹きつけるものの存在が人気物件を作り出している理由になっているのです。
今回はそんなスタートアップがオフィス選びを進める際の理由について、これまでにスタートアップ企業の皆さんがどのようなオフィスに入居してきたのか、その例えとして渋谷の有名なビルについてお話ししたいと思います。
シャレー渋谷
代表的な物件として、「シャレー渋谷」という物件があります。
シャレー渋谷は、渋谷区桜丘町に建つ1970年代に建てられた物件です。
A棟とB棟からなる9階建ての一見すると普通のマンションのような建物は、その立地からなる利便性によって元々のマンションからオフィス用途に変貌を遂げてきました。
40㎡~80㎡ほどの面積のお部屋は、4-5名から10名強までの人員が使えるキャパシティがあり、スタートアップの企業にはまさにうってつけの広さです。
特に設備が充実しているとか内装に特徴があるとかは正直まったく無く、どこにでもあるオフィス物件といった風情です。
ただし、この物件が違うのがそこに入居する、してきた企業や人たち。
これまでに入居をされていた企業はビズリーチさんやdelyさんなど今まさに輝くベンチャーの星のような企業やイケてる注目のベンチャー企業ばかりなのです。
そして各テナントはこの建物から大きく成長を遂げて格段に広いオフィスへと移転されています。
ではなぜにこのような企業が集まってくるのでしょうか?
スタートアップ企業のオフィス選びの理由
このようにITベンチャーの拠点でもある渋谷駅周辺。
2000年前後のインターネット黎明期から"ビットバレー"と呼ばれたように、渋谷駅から神泉方面に至る一帯はITベンチャー発祥の地でもありました。
そこには現在では超有名となったIT企業が本社機能を置き、スタートアップとの連携や子会社化など渋谷に集積させる要因にもなっているのです。
また、同じく古くから渋谷のインフラ整備などの大開発を続ける電鉄、不動産会社の役割も存在します。
街を変えるとともにイノベーションを生むシード期のスタートアップのためのワークラウンジやスペースを各所に稼働させるなどIT企業のサポートに貢献しているのです。
そして、オフィス選択の基準としては、場所、広さや家賃などは当たり前のこととして、最も重要視するのが"仲間"が周りにいること。
スタートアップという夢と希望、そして不安な部分をともに乗り切っていくために同じ志を持つもの同士が近くにいることは、オフィスを選ぶ際の大きなきっかけとなります。
そして、スタートアップの方々には重要な"仲間"といっても良いかもしれないのですが、スタートアップを支援するベンチャーキャピタリストの存在も大きいと思われます。
金銭面はもちろん、経営面での様々なアドバイスを送る仲間が近くにいることは大きな利点になります。
ベンチャーキャピタリストが物件を丸ごとプロデュースする事例などもでてきており、こういった流れは益々進んでいくのかもしれません。
このようにスタートアップがオフィス選びをする際に最も重要なのが、考え方を共有する仲間の存在なのです。
前述の企業も同じ考え方が共有できる理解者として仲間に入る存在だと思います。
まとめ
渋谷周辺の表参道・青山や恵比寿も同様に人気エリアですし人気物件も存在しますが、それは物件特有の魅力によるものでシャレー渋谷のような理由で人気が集中する物件というものはほとんどありません。
最近では、IT系ベンチャーさんからよくお話しをいただくようになってきたのが、五反田駅周辺エリア。
理由としては、渋谷駅周辺の前述の桜丘町などが再開発されていて老朽化した中小ビルの取り壊しの話が進んでいたり、渋谷にベンチャーが集まってきたことによる物件数の減少や賃料増が上げられます。
五反田にシャレー渋谷のような物件が出てくるのも時間の問題かもしれません。
SNS同様、企業経営におけるインフルエンサーが今後、どのような場所に仲間を集めていくのかも私たちオフィスの仲介にかかわるものとして注目して行きたいと思っています。