賃貸物件でのIHコンロとガスコンロ考
賃貸物件でのIHコンロとガスコンロ考
引っ越し、移転の際にお部屋はとても気に入ったんだけど、設備面でやや心配・不満足だというケースはかなりの割合であると思います。
『収納が少ない』を筆頭に、『お風呂が追い炊きではない』、『照明が少ない』、等の他、
『キッチンコンロがIH』
というケースも特にお料理が好きな方に多くみられます。
使い慣れていたガスからIHへ転換することはこういった方々には一大決心になりますよネ。
デザイナーズマンションではキッチン周りもデザイン的にシンプルになることが多く、特にワンルームや1Kの間取りではここのところIHコンロが1口といった物件が多くなったように思えます。
今回は、IHコンロの特徴を認識したうえで、困らない引っ越し・移転ができるようなお話しをしてみたいと思います。
IHコンロとは
『IHクッキングヒーター』、『IH調理機』などとも呼ばれ、《Induction Heating》⇒誘導加熱、の頭文字がその意味となっています。
プレートの中には沢山のコイルが入っており、このコイルに高周波電流を流して磁力線を発生させ、磁力線が鍋底を通過する際に渦巻き電流が流れ、鍋の電気抵抗により発熱することを利用して加熱が行われます。
使用できる調理器具・できない調理器具について
前述のように、IHコンロを使う場合は、電気抵抗の大きなものほど効率的に使えるということになります。
つまり、電気抵抗の小さいアルミ製や銅製のものは使うことができませんし、土鍋などの陶磁器やガラスなども使えないということになります。
詳しくは下記をご参照下さい。
参考ページ
http://kadenfan.hitachi.co.jp/ih/contents/pot/
これまで使っていたものが使えなくなってしまうこともありますし、IHに転換する場合にはご自身のものを事前に調べておいたほうが良いと思います。
火力について
IHでは火力は消費電力で表示され、それを10段階の火力表示の数値で調整するのが一般的です。
以下、消費電力と火力表示の目安になります。
弱火(消費電力120w~370wが火力1~3にあたります。消費電力120w=火力1表示ではおよそ保温程度の火力になります。)
中火(500w~1000w=3~5)
強火(1450w~2500w=6~8)
超強火(3000w超=9超)
IHコンロのメリットとデメリット(ガスコンロと比べた場合)
メリットとしては、まず、火を使わないため、火災のリスクが少なくなるという安全性が一番に挙げられると思います。
住宅火災の火災原因トップは、ガスコンロからの出火だそうです。
IHコンロは、前述のように鍋自体を発熱させるので、直火からの引火や立ち消え、不完全燃焼などの心配がありません。
また、熱が拡散する事ことがないので、室内に熱がこもったりすることもありません。
安全性の次は、手入れ・掃除が楽ということ。
スッキリ、平らなフォルムは手入れが楽チンで、使用後すぐに拭き掃除ができるので日常的に綺麗さがキープできます。
デザイン性を重視したいデザイナーズマンションでは特に気にしていたい箇所かもしれませんね。
IHコンロのデメリットですが、まず挙げられるのは前述の【使用できる調理器具・できない調理器具について】でご説明した通り、調理器具によって使用できないものがあること。
これはほとんどのものが使用できるガスに対してはやはりデメリットの一つになるかと思います。
次のデメリットは電気製品の弱みですが停電時に使えなくなること。
大規模な停電というのはありがたいことにほとんど無くなりましたが局所的な停電の場合なども想定されますのでガスに比べるとその可能性は高くなると思います。
その他のデメリットとしては、お料理好きの方からのご意見では、IHではフライパンを振ることができないので、炒め物に不都合だとか、鍋やフライパンの外周が熱くならなくて困るとのお話しもあります。
器具や作り方の工夫次第では解決できるようですが、やはりガスコンロとは別物として使用することが必要にはなりそうですね。
まとめ
今回はIHコンロについてお話ししてみました。
お料理教室などでもIHで作るお料理を専門に教えてくれるものなども出てきていますし、IH対応物件へのお引っ越し、ご移転は、これまでのクッキングスタイルの意識改革にできる機会になるかもしれません。
あくまでもガスコンロでのお料理にこだわる方以外では、これまでのお話しをご認識されたうえでIHコンロでの新たな生活を送っていただければ、これまでとは違った綺麗で安全なキッチンスタイルが送っていただけるのではないでしょうか?!